2010年5月、当時の社長より、自身が末期癌の宣告を受けたこと、今後闘病生活に入るため、一時的に仕事を離れる旨の発表がありました。個人的には、社長と従業員の枠を超えた、2歳年上の公私にわたる良き先輩。利害を超え、一社員としての受け止め方以上のものが私にはありました。
就任3年、創新塾革新コース62期として、7月の卒塾を控え、会社の改革が少しずつ始まった矢先の出来事でした。200日の壮絶な闘病生活の末、37歳で旅立たれた社長。それから1か月後の東日本大震災。立て続けに価値観、考え方、在り方が大きく変わる出来事がありました。自身のポストに限らず、この会社のために徹しぬこう。亡き社長の分まで生き抜こう。同世代、志半ばで亡くなった社長。11年前に父を亡くした私と長男を亡くした当時の会長。そう決意するに十分な状況でした。
会社の命を受け、飛び込んだ71期。自分のずるさ、姑息さ、弱さと向き合いながら、会社経営の何たるか以上に、人格形成の鍛錬の場として、その1回1回に希望と不安が入り乱れ、翻弄されていました。良き仲間をつくること、これに尽きると感じるまでになれた同期の方々には本当に感謝しております。ポストではなく、本物の人、本気の人がいる会社が強い。わが社にとって、本物の人、本気の人に私自身がなるという自覚を持てたことが何よりの創新成果だと感じます。
理から事へ。ここからが本当の勝負です。ご縁あるすべての方々にお力を頂きながら、それに足る人格を磨き、『日日是創新』の精神で邁進して参ります。
月並みではございますが、関係するすべての方々に感謝申し上げます。今後の自身の成長と会社の発展をもって、ご恩返しさせて頂きます。